ジェネリック薬は誰がどのように使っているの? 世界のほとんどの人が利用している後発医薬品のジェネリック医薬品についてのご説明

ジェネリック医薬品の問題点

ジェネリック医薬品の問題点の一つとして、供給面の不安定性があります。

ジェネリック医薬品を製造・販売する企業の多くは、準大手または中小企業であることがその問題点を生んでいます。

つまり、このような企業には医薬情報担当者の数が少ないため、医師や薬剤師の情報収集が不足することが考えられるのです。

また、ジェネリック医薬品が発売されるのは先発医薬品の特許が切れてからですが、それは新薬発売から10年以上経過しているのが一般的です。

その頃には薬の副作用に関する情報は蓄積されていますが、ジェネリック医薬品特有の副作用が出ないとも限らず、その際の対応は企業が個別に行なうことになっていることも問題といえるでしょう。

ジェネリック医薬品は先発企業に対抗するために2年に1度の薬価改定の際に大幅な値下げが行なわれていることがあります。

それに加えて、複数の会社によって販売されるジェネリック医薬品同士で値引き競争が行なわれることも珍しくありません。

そのため、消費者にとっては需要と供給に基づいた適切な価格で薬を手に入れることができます。

その一方で、採算の合わなくなった後発企業はその薬の販売を中止することもしばしばです。

過去には、1ロットを製造しその在庫がなくなった時点で販売を中止する「売り逃げ」という行為を行なった企業もありました。

近年では厚生労働省の指導により、そのような事態は改善が進んでいます。

ジェネリック医薬品については、新薬の持つ特許を侵害しないことが基本でそれに違反すると訴訟問題に発展し、製造中止や回収が命じられるケースもあります。

様々な規制や決まりのあるジェネリック医薬品ですが、今では次第に日本でも認知されるようになってきています。

日本では新薬の開発・販売に当たり、その製造方法や成分などが特許権の取得により守られます。

新薬開発には膨大な時間と莫大な費用が掛かるため、その内容が他の後発医薬品により真似をされせっかく掛けた時間と費用が無駄にならないためのいわゆる自衛手段といえます。

そのことで研究・開発費の回収を図り、また、そこで得た利益により新たな新薬開発のための費用に充当するというかたちをとっています。

特許権の存続期間は特許出願日から20年で、その期間を過ぎれば他の企業が先発医薬品(新薬)と同じ成分・製造方法の薬を作成し販売することが認められます。

特許権を取得したにもかかわらず、新薬の製造・販売についての承認を得るために長い期間が必要とされ、実際に製造・販売がなかなか叶わないという事態が生ずることも珍しくありません。

このようなケースでは、特許権の存続期間は最大5年間延長することが可能です。

先発医薬品の企業では、後発医薬品の販売に対抗して、先発医薬品に新たな効能や適用などを発見・開発することで新たに特許権を追加したり、製剤や剤型を変更するなどの対応をすることもあります。

海外では、後発医薬品いわゆるジェネリック医薬品に対するさまざまな問題が発生しています。

たとえば、成分特許を認めていないインドや特許制度が欧米とは違う国では特許が認められていなかったり、特許の適用から外れている医薬品が「ジェネリック医薬品」として出回っています。

そしてこれらの医薬品は、アフリカなどの貧困国で多く使用されているのです。

エイズ治療薬やネビラビンなどは、欧米ではまだ特許が切れていないためジェネリック医薬品の存在がないのに、エイズで悩むアフリカ諸国ではインド製のジェネリック医薬品が大量に出回っています。

このような事態に対して、特許権を持つ欧米の製薬会社とインドなどの特許制度の異なる国の製薬会社との間で争いが起こり、欧米側がこの事態に対応できるような新しい法律を作ったりして対抗措置を行なっています。

しかしその反面、インド製の安いジェネリック医薬品が手に入らなくなれば、アフリカなどの貧困国にとっては医療自体の崩壊に繋がるという深刻な問題でもあるのです。